■■ YA HOUSE NOTE ■■

今回の大工さんは非常に論理的。お話を伺うとなるほどな〜という部分が多いのです。
建築って実は原始的で経験則によって成り立っているのです。
だからその人が修行したトコの流派によって考え方がいろいろあります。
それはさておき施工時のNOTEという感じでちょっと整理していきたいと思います。
2003.06.04

間柱上部のアキについて***************
お客さんから間柱の上部が全部2mmくらいあいてるとの指摘。私は梁(横の材)に間柱(縦の細い材)を取り付けるときに、梁に掘込(ホゾ)を設け、間柱の一部を挿入するためにスキが必要なのかと思ってました。しかしこれは別の理由があるそうです。建築中に梁に重さがかかる事で梁がたわむことがあるそうです。間柱は上部からの力を受ける程強くないので、梁のたわみをうけ力が間柱に伝わり間柱が左右に押し出されてゆがんでしまうことがあるそうです。それを防ぐために少しスキを設けるそうです。ハウスメーカーではその理由に対しなかなかお客さんが理解してくれないとのことなので間柱をホゾ穴に差し込まず、ギチギチに横から挿入しているとか。また、床の下地も乾燥する季節は少し透かし、湿気の多い時期にはギチギチに貼ることで材のこすれによる鳴きを防ぐのだとか。なるほど・・・知りませんでした(^^;)
間柱上部の拡大 ホゾに差し込まれています。 良く見ると全ての間柱(細い柱)の上部にはスキがあります。

継ぎ手について*****************
吹抜部分は普通の腰掛け蟻継程度だと、金物で補強してもズレが生じてしまいます。木は生きているのである程度仕方がない部分があるのですが、少しでもそのズレを少なくしたいところ。この木の継ぎ方でしたらそれが少なくて済みそう。材料加工場で打合せした時には既に配慮されていました。
横にずれないようにタテに材を継ぐ 継いだ後。込栓を打ち込むことで木だけで結合できる。

梁の材の割れに対する補強について***************
人工乾燥材(KD材)を使っていても、乾燥割れは起きる。また、材を組み上げてく時に妙な力がかかり割れたりする。今回はそれが2カ所あった。一つは建て方時に現場で刻み直し。10分程度。もう一つは、梁の下端が割れてしまったので、後日補強。その補強方法をちょっと公開。これは私からの提案。(←とはいっても大工さんは知ってました(笑)) 割れた材と同じ大きさの材を下部に入れる。それは柱を少し書き込み横から滑り込ますように挿入。これでばっちりのはずです。エポキシを詰めたり、当て木&金物による補強という方法もあるでしょうができるだけ接着剤や、金物に頼らない木組みで家をつくりたいものです。
補強部分の拡大 柱をちょっと欠込乗せるのが基本 梁が二段になってます。上の梁が少し割れてしまった梁
 
渡りアゴ掛けについて*****************
コレを設計で指定すると嫌がられるし、知らない大工さんもいるくらい(^^;)
普通は二階の根太は梁の上に載せて、左右からハスにクギうちをするのが普通。ダメな大工は上部か直接ぶつ(脳天ブチ) 今回は二階の梁と根太を少し欠きこんで、組んでいく形になっている。渡りアゴ掛けという仕様だ。これを行いとほんとに建物が動かなくなる。特に構造用合板を貼ると斜めの火打ち梁は必要なく、さらに構造的に水平方向に対して安定している「剛床」と呼ばれるレベルに達すると住宅金融公庫からお墨付きがでている。ちなみに構造用合板を貼らず火打ちを入れただけの床はふらふらの「柔床」
下から見てるので分かりにくいかも またあとで写真とります。

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