TYH  宇都宮市 2006年4月竣工       設計施工段階の資料はこちら  

宇都宮市郊外、古くに開発された建売分譲地。
敷地は狭く、周辺には同時期に建てられ痛みが目立つようになった建築が林立しています。
この計画は建築のもつ本質的な力や性能は妥協しないこと、これを前提に設計が進められました。
建築基準法の床面積はたった13.5坪。
ロフトや天井高さが低いため階扱いにならない収納部分をまぜても約20坪。
洗面・トイレ・お風呂以外には部屋という部屋はありません。

直方体の空間の中に4つの高低差をもつスペースをつくります。
それらは、視線高さの相違により、キッチン・リビング・子供室・寝室というような機能空間を分節されます。
各スペースは左回りの動線で構成され、キッチン土間→リビング→子供室→寝室へとつながります。
要望を整理し機能と面積を絞り、仕切りをなくす事。形態を単純化、ディテールを詰めること。
POHが通常行う手法ですが、それにより立体的な一室空間が形成されました。
また、この物件はコンクリート打放仕上げとし、壁仕上げは一切行っていません。
懸念された暑さ寒さは、厚い躯体のおかげで全く問題ないようです。
コンクリート・分厚い無垢材によって構成された空間は非常に力のある空間になりました。

NEWHOUSE2007年5月号(ニューハウス出版刊)掲載
HOME MAKE 「快適に暮らしたい!キッチン&ホームスパ」(ニューハウス出版刊)掲載
EDU2008年6月号(小学館刊)掲載
レタスクラブ2007年11月10日号(角川エスエスコミュニケーションズ刊)掲載
ハウジング栃木2010(下野新聞社刊)掲載

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pic1 北側道路より建物を望む。北側は街に対して閉じている。手 前は駐車場スペース。
pic2 リビングからデッキを望む。南北軸によってによって生まれた三角スペースが閉じたデッキに。
pic3 デッキからリビングを望む。木はダイサンボク。住まい方が少しだけ見える。 
以上3点は竣工後半年を過ぎた頃の写真 北側枕木・デッキ・白い木塀は施主自力工事 

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pic4 キッチンよりデッキ方向を望む 左手が設備コア。手前はダ イニング・奥にリビング・スキップして子供室
pic5 リビングより子供室を望む 子供室下部は1.4m未満の収納部分。左手上部がロフト寝室。
pic6 子供室よりロフト寝室を望む ロフト下部は設備スペース 寝室・子供室は将来仕切る可能性あり

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pic7 ロフトより撮影 視線が抜けるので意外に心地よい。
pic8 子供室下部収納より撮影 収納なので木の現しとしている。
pic9 子供室より撮影 内部の高低差がはっきりわかる。

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pic10 キッチンはコンクリートの跳ねだし 気兼ねなく使えるよ うに床もコンクリートとしている。
pic11 洗面所 コンクリートに囲まれた空間は黒とシルバーを基調とした異空間に
pic12 浴室は1畳ほどの小コートに面している。全面黒塗りでも意外に明るい空間。
pic13 引越し後のキッチン周辺。棚が置かれ、食器が飾られ・・・。なんか味があります。

主構造体 壁式鉄筋コンクリート造
建築設計 STUDIO POH
構造設計 小林構造設計室 
施工者   柴田工業株式会社 (宇都宮市駒生/相見積)   
 2004年11月設計開始 
2005年9月着工 2006年 4月竣工


STUDIOPOH